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【ブランディング】フランスに本格寿司で勝負を挑む:悠しん 山下様との出会い

パリ近郊の高級住宅街、Neuilly-sur-Seineにある、フランスで数少ない本格的なお寿司が堪能できるお店「悠しん」様の立ち上げからのブランディングデザインをさせていただきました。

シェフでありオーナーである山下様と始めてヴェルサイユでお会いした時は、フランスはまだコロナ禍の真っ最中。

 

 

ハキハキと真っ直ぐ前を向いてお話しされる山下様は、物腰は柔らかく丁寧で、一本筋がしっかりと通った印象でした。

フランスで多くのレストランがどんどん店を閉じていく中、鍛えぬかれた職人としての腕とご自身の力で、この今、店を出す。というお話しを伺った時、そのお姿が荒波の中、勢いよく跳ねる魚のようだと感じずっと印象に残っていました。

この時、海外で仕事をし生きていくのは容易ではなく、自分自身が日々その大変さを実感していたので、勇気づけられる思いでした。

始めての打ち合わせで、今までのこと、将来の事、理念や目標までじっくりとお話しを伺いました。

 

ブランディングデザインは、お客様の商品やサービスを知り、その良さを伝えるためのマーケティングを意識したデザインが必要になります。

 

それには勝負する場所で、ターゲット層がどのようなデザインを好むかまで考えて、他社と差別化したデザイン展開をする必要があります。

 

フランス公園

特に、ここフランスではなんちゃって日本食や寿司が多く、本物の寿司屋は数えるほどしかありません。

 

その場所で新規出店するために、ひと目で見て「これは本物だ!」と分かるロゴでなくてはいけません。

そこで、デザインするにあたって、これから工事する店内のデザインや色なども送っていただきました。

 

壁や板、家具、雰囲気など全ての情報を取り込み、そこにロゴがある事でその場が締まるような。

ロゴだけ目立つのではなく、そこにストンと収まり、調和し、確かな一体感を持ってブランド力を高めるようなデザイン。

 

山下様に会った時に感じた、荒波のなかで高く飛躍しようとする「強い」印象と、こだわり抜いた食材の中でも悠心様の料理の象徴である「魚」をモチーフとして使用し、力強く美しく飛び跳ねる様子をロゴに込めました。

もちろん、ロゴは手描きからデータ化したこの世で唯一無二のデザインです。

 

背景の円は「縁」も意味し、お客様と悠心様とのご縁が末長く続く様子をデザインに込めています。

また。その円は水が渦巻いている様子を表す「一つ巴」の日本古来の文様を施しています。

常に変化する時代の流れの中、勢い良く天にはねる魚は悠心様自身を象徴するものとしてデザインいたしました。

 

https://www.yushin.fr/

 

Kiyomi TANAKA


パリを拠点に活動するクリエィティブディレクター&デザイナー。

自然が好きで、娘と息子とヴェルサイユで暮らしています。

 

日本でデザイン制作会社に勤務後、独立し日本郵政公社、帝国ホテル、JAなど大手企業や有名ホテルなどのデザインを手がける、その後、渡仏、ブランディングデザイン事務所[Fleurirdesign]設立。

ブティックやサロン、クリニックやカフェなどの立ち上げからのブランディングトータルデザインの経験も豊富です。

 



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コメント: 2
  • #1

    常岡洋人 (水曜日, 21 9月 2022 09:07)

    海外で「本当のお寿司屋さん」を探す難しさを実感しています。
    ロゴを見ると、本物かどうかはあらかたわかるようになってきました。
    こちらのロゴやデザインからは本物の鮮度、味、真面目さを感じました。

  • #2

    Fleurirdesign 田中 (木曜日, 22 9月 2022 06:55)

    >常岡さま
    コメントありがとうございます。^^
    確かに海外で本物の和食やお寿司屋さんを探す時に、ロゴや店構え店名などで分かりますよね。
    そういったビジュアルから伝わる「本物」らしさを感じていただけるように心がけたので、そう言っていただけて本当に光栄です!