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フランス外出制限で最も不安だった事。

 

外出制限が出る直前の、私の夜も眠れないほどの心配事は、1週間ほど前に、息子の虫歯治療の詰め物(上の奥歯の左右)が取れたのに治療が進まないということ。

夏に日本で治療をしたのですが、デンタルフロスをした時に取れてしまいました。

かかりつけの歯医者さんは遠くに引っ越ししてしまったので、新しく歯医者さんを見つけないといけなくて、やっと見つけた歯医者さんは初日はレントゲンのみ、その後、コロナウィルスの影響で予約は取れなくなりました。

 

そんな中の学校休校のお知らせ。

コロナウィルスのニュースを見る度に、今の近隣諸国の現状は明日のフランスくらいに思って行動しなくては。

とにかく、一刻も早く息子の歯の穴を埋めなくては。。。と追い詰められた気持ちに。

 

色んな歯科医に電話しても、新規は受け付けないと言われ予約が取れない。

そして、電話がダメならネットでと予約すると、すぐキャンセルの連絡が入る。そういうしているうちに時間がどんどん経っていく。。。

 

そして、迎えた外出制限当日。

20時の大統領の演説で外出禁止令が出るらしいと知り「もうあかん時間がない!」と、その日予約が取れる歯医者をネットで調べて予約をし、

断られる前にと間髪入れずに電話をしました。

 

ここもはじめは「新規は受け付けないので、他に行ってください。」と言われていたのですが、

「ここに電話するまでにも何件も断られ、どこも予約が取れません。どうか、うちの息子を緊急で受け入れてください。お願いします!」と文字通り泣きつき、症状を説明する。そして、2時間後に来れますか?と聞かれた時には、泣きそうになりました。

 

もちろん、時間より前に到着。 

初めの歯科医から送ってもらったレントゲンを、先生にその場でメールで送り、治療開始。

「大丈夫、この穴は今日、埋める!」と言われた時の安心感。

 

 

この数日間、「もうお願いやから、誰か、この・・・この穴を埋めてくれ・・・」と藁にもすがるような思いで過ごしていたのですが、最終的に掴んだ藁は素晴らしく腕と心意気の良い先生でした。

 

息子も「もう、どんなに痛くても我慢する。。。」と意を決して診察台に上がったのに、

先生に「あの、、、麻酔は痛いですか?」とちゃっかり質問していた。

日本でもフランスでもこういう病院にかかる時に、「話せてよかったな!本当に毎日頑張ったもんな。」と頭をワシャワシャ撫でたくなります。

 

先生はとてもテキパキして有能で、さらに私にも子どもにも分かりやすく説明し、息子が最大の難関だと思っていた麻酔も痛みもないらしく

「大丈夫よー、風船が膨らむようにイメージして」と優しい。

息子が、緊張から石のように硬くなっているのが、その中途半端に開いた手の指先から感じる。

頑張ってる。いいぞ、息子。

ここにくるまで本当に大変だったので、治療してもらってる我が子を見て、涙ぐむ母。別の意味で息子も涙ぐむ。

 

治療が終わり、先生から「コロナウィルスの影響で、今日の夜からここも閉めないといけないの。」と聞かされました。

本当に滑り込みだったんだな実感。 

小さい子に一度に麻酔は数カ所できないという事で、片方のみ完全に治療完了し、もう片方は応急処置をしてもらい、穴は両方なくなりました。ほ・・・

 

外出制限があっても医療機関は利用できると聞いていましたが、

眼科も歯科もすべてキャンセルの電話がかかってきて、そんな悠長な事ではない予感がしていました。

 

この状態がどのくらい続くか分かりませんが、とにかく、これでやっと自宅待機の準備ができたという感じです。