東洋経済ONLINEさんの記事、
の記事を読みました。
水野さんの本は、私も日本に帰国した時によく読んでおり、フランスにも何冊か持ってきています。
私もブランディングデザインをしていて感じているけれど、うまく表現できない言葉を、水野さんはいつもとても明確に分かりやすく言葉にされていて、本当にすごいなと思うと同時に、やはり自分の想いや考えを正しく伝える能力が必要性について再認識します。
デザイナーは、お客様の世界観や未来をデザインするのが仕事なので、
必ず、なぜ、どうしてこのデザインが良いのかを説明する義務があると私は思っています。
そういう意味でも、言葉での表現力はとても必要で、特にクリエイティブディレクター的要素の必要なホームページなどの仕事は、お客様の話を聞いて、それをコピーや文章にし、さらにターゲット層に響くデザインにしていくので、
デザイナーでありディレクターでもありコピーライター的な要素も必要になります。
この記事で、水野さんはこうおっしゃってます。
前の部分:デザインをする前の段階で、どんなデザインをするかという構想を練るという事。
後ろの部分:実作業といえるデザインを作る事。
と、表現されています。
私もこの仕事を長年していますが、デザイン業界はAIが作成する時代は、すでに来ていると思います。
ただ、この前の段階と言われる自分が表現したい世界観を作る事と、人間が持つ感覚を生かしたデザインはAIの苦手分野だと思います。
デザイナーはAIによって仕事がなくなるのか?
これは、現在デザイナーをしている人、または目指している人なら一度は考えたことがあると思います。
私が思うには、結論から言うと現時点では、プロのデザイナーとAIではレベルが違います。
正直なところ、ぱっと見それなりのデザインはAIでも出来ると思います。
デザインを仕事にしている自分から見ると、詰めの甘さや、これじゃ印刷したら潰れる。という一定のレベルを超えていないものが多いのですが、そもそもそれを気にする人達は自動で作れるロゴは使用しないと思うので問題ないのかもしれません。
ただ、もう一歩も二歩も先を考えるなら、ロゴは出来てから、それをどう展開していくのかが重要なので、そうなってくると、やはりコンセプトというものがベースにないロゴは、後々ブランド展開しにくい場合があると思います。
コンセプトは、商品やサービスの魅力や、ターゲット層、今後の展開方法、競合他社との差別化を考えて作るので、それをAIが考えるのは難しい。
今後、必要になってくるのはAIではなし得ない提案やデザイン戦略ができることだと思います。
日本帰国時には、毎日、本屋や図書館に通い、山ほどの本を読み、その中で特に気に入ったものやためになるものをフランスに持ち帰ります。
その中に、水野学さん著書の「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義」という本があります。
ブランディングデザインをしている人、これからデザイナーを志す人、これからビジネスを立ち上げる人、既に立ち上げている人、私のお客様にもお勧めしたい良書です。
Kiyomi TANAKA
パリを拠点に活動するクリエーティブディレクター&デザイナー。
日本でデザイン制作会社に勤務後、独立し日本郵政公社、帝国ホテル、JAなど大手企業や有名ホテルなどのデザインを手がける、その後、渡仏、ブランディングデザイン事務所[Fleurirdesign]設立。
ブティックやサロン、クリニックやカフェなどの立ち上げからのブランディングトータルデザインの経験も多数あります。
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