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カオス過ぎたコロナ禍のフランス受験:合格発表編

もうすぐ学校が始まるので、同じ中学に子どもが受験した友人と電話で話していると、

お互い、口々に出るのは「いやぁ、本当に大変だった。」ということ。

友人に「いや、清美さん本当よく当日に合否が分かったよ。すごいと思うよ。」と言われました。

 

私からしたら、その友人Aさんのアドバイスのおかげで、合格まで導かれたようなものなので、

「いやいや、Aさんのアドバイスのおかげだよ。」と言うと

「いやいや、ほら、私はそうは言ってもアカデミーパリだから。」

「!!!!そうか!確かにアカデミー違うとめちゃくちゃ大変だった!」

 

そうだ、合格発表もアカデミーが違うと、みんな合格してるかどうか知るまで辿りつくのが大変だった。

 

なぜなら、合否を知るために必要な2つの要素である

1:INE番号

2:受験生の生年月日

この2つのどちらかが違うとサイトにアクセスできないから。

数年後の自分のためにも、ブログにこの流れを忘れないうちに書いておこうと思います。

 

 

フランスでの子どもの受験を振り返り。一言で言うと。

今年は娘の中学受験。

 

日本でもそうなのですがフランスでも、公立校は家の学区内のところに行くのが通常の流れなのですが、もちろん自分の好きな学校を選びチャレンジすることもできます。

娘は、パリの日本語セクションのある公立中学を受験しました。

 

私にとっても、子の初めての受験。

しかも外国。

 

我が家のフランスでの受験を一言でいうならこの言葉がぴったり。

 

「果てしない・・・。もう本当に果てしない。。。」

何度、ため息混じりにこの言葉を放った事か・・・。

 

その道は、もう本当に大変過ぎて、思い出すだけで吐き気がして具合悪くなるほど大変でした。

もう思い出したくない。でも、今後のために書いておこうと思います。

 

今日は合格発表当日のことについて触れたいと思います。

 

 

 

■まず、アカデミーが違うことの大変さ。

 

我が家はヴェルサイユ在住なので、まずパリの公立校に行くにはアカデミーパリに問い合わせをしなくてはいけません。

ヴェルサイユはアカデミーヴェルサイユが管轄なので、まず、入りたい学校のあるアカデミーに登録をしなくてはいけなくて、それがアフェックタシオンという手続きになります。

てっきりデロガシオンという手続きかと思っていたのですが、それは、同じアカデミー内で学区以外の学校に通う場合の手続きで、ヴェルサイユからパリの場合はAffectation: アフェクタシオンというらしいです。

 

受験での手続きの流れは時系列にすると、ざっと以下になります。

これは学校によって異なります。

 

 

1:受験年の新学期始まってすぐ9月から12月まで。

子どもの通っている小学校の担任の先生と校長先生にランデブーを取り、子どもの進路についての相談を事前にしておく。

CM1/CM2の成績表が願書提出時に必要なので、この学年になった次点で学校の先生に相談して、子どもの学習方法や弱い点を聞いておく。

 

2:願書提出までに時間あるので、書いてもらう三ヶ月くらい前には、再度、校長に推薦状などを書いていただくように事前にお願い。

 

3:入学説明会(3月上旬)

 

4:願書準備

 

5:アカデミーパリにアフェクタシオン登録

 

6:学校に願書提出(期限:新型コロナウィルスの影響で、3月末のところ4月末に変更)

 

7:試験(5月)(新型コロナウィルスの影響で、zoomでの口頭試験のみ。)

 

8:アカデミーパリに必要書類提出(サイトから)

 

8:合格発表(6月16日)

 

9:アカデミーヴェルサイユにパリの学校に行くことを伝える(我が家は校長先生が伝えてくれた)

 

10:中学校に書類提出

 

11:NAVIGOなどの手続き

 

 

とにかく、色々とてつもない苦労をして願書を提出して、上の「8」の部分、合格発表当日。

それに費やした時間も果てしなく。

夜うなされて目覚めるほどの苦しい日もあった。

 

 

その合否は、学校からの連絡かと思いきや、アカデミーパリのサイト内にその日の夜に出るという

そう、今年はコロナで外出禁止中だったのもあって、直接窓口に行き聞くということはできず、電話で問い合わせしたり、中でも有力情報だったのが、この

受験生の親は、横の繋がりが結構あるので、みんな新情報を小耳に挟んだり、自分で分かった情報があると友人に伝えます。

 

合格発表については、学校から発表メールがあると聞いていたのですが、その噂によると

発表日の夜にアカデミーパリのサイト内で分かるとのこと。

 

確か発表日もいつですよー。という連絡はなかった。

学校からの合否はないので、アカデミーパリのサイトにアクセスして、合格していたらそこに受験校の名前が書いてあるという話。

 

それには、INEという学生番号と受験生の誕生日が必要とのことでした。

INE番号はヴェルサイユの小学校の校長に聞いて願書に記載してあり、もちろん子どもの生年月日も願書にあります。

 

朝、同じく子どもが受験した友人と電話で話してると、「もう発表出てるよ。うち見れたよ。」ということで

娘のINE番号と誕生日を入力したところ、

 

エラー。

 

何度やってもエラー。

 

・・・・これは問い合わせるしかない。

 

娘を隣に、一緒にアカデミーパリに電話すると、出た人に「担当部署に変わりますね」と言われた後

ブチッ。ツーツーツー。

切れてるやん?

 

気を取り直して2回目。

プルルル・・・だいぶ待たされた挙句出た人に

「そら見れんよ。発表は17時から。今は見れない。」と取りつく島もなく冷たく言われ一旦電話を切りました。

 

でも、17時ってもうアカデミーパリの電話受付時間じゃないし、

結局エラーが出たら、合否が不明なまま夜を迎えることになるはず。

それだけは避けたい。絶対、寝れない。

 

もう一度、電話するしかない。

せめて自分のアクセス用の情報が間違ってないかだけでも絶対に確認しなくては。

 

 

次電話したら、プルルル・・・も鳴らずに切れる。

フランスではよくあることなので、プルル・・が鳴るまでかけ続ける。

その間、30分ほど。

 

そうこうしているうちに、プルルルル・・・「しばらくお待ちください。順番につなぎます。」のアノンスの後に一方的に電話が切れる

 

そんな事を5、6回繰り返しながら、やっと誰かに電話がつながった。

問い合わせを始めてここまで2、3時間経過

 

私「娘の合格発表の内容を知りたいのですが、アクセス出来ないのです。自分の番号があってるか確認したいんです。」

担当「どこにお住まいですか?」

私「ヴェルサイユです。」

担当「それはアカデミーヴェルサイユの管轄ですよ。ここじゃないです。」

私「もちろんそうなのですが、私達はヴェルサイユに住んでいても、娘はパリの日本語セクションのある学校を受験したんです。」

担当「あー!少々お待ちください。XXXXという学校ですね?」

 

担当「合否はサイトに出てますよ」

私「サイトにアクセスしようと思ったのですがエラーになるんです。」

担当「INE番号と生年月日は?」

私「XXXXXXXX  XX月XX日です。」

担当「そんな番号ないです。住所と名前は?」

 

まさかの住所と名前からの逆検索。

 

私「XXXXXXXX Versaille」

担当「娘さんの名前はXXですね。」

私「はい。」

担当「INE番号違いますよ、番号はXXXXXX。生年月日もその日ではなく16日ですよ。

 

いやいや、INE番号、一文字も会ってないやん。そして誕生日も違うやん。

2つしかないアクセス情報が2つとも違うって。そんな絶対にアクセスできるわけないやん。

 

 

軽く目眩がしましたが、ここで食い下がらないと絶対に合否まで辿り着けない。

 

私「校長先生から聞いた番号と全然違うんですが。それに私の娘の誕生日も違います。」

担当「校長先生が間違えたんじゃないかな。誕生日は誰かが間違って入力したんだと思う。今、訂正しておくから6時間後くらいには反映されてると思いますが、それまで娘さんの誕生日は16日なので控えておいてください。」

 

他人様から娘の誕生日を教えられる私。

 

ここで電話を切って、またアクセスできないと振り出しに戻るので

私「ちょちょちょっと待っててください、今ここでアクセスできるか試してみてもいいですか?」

担当「いいですよー。」

 

その場で娘と言われたIDと誕生日でアクセス。

おぉ。。。なんかアクセスできる雰囲気に。。。しばらく待つので電話切られないように

「今、やってます・・・ちょーっと待ってくださいね。」と伝える。

 

すると、受験した学校の名前が出てきた!

あったー!!!!

抱き合って喜ぶ私と娘。

 

その様子は電話先のお姉さんにも伝わっていて、

私「あ、ありました!!!!こ、これは娘は9月からこの学校に通えるという事ですか?」

なんかもう、アクセスまでにすでに2時間くらいかかってるので感慨深いし、涙声。

 

担当「そうですよー!」

 

私「あぁ、よかった!!!本当にありがとうございます!!!!」

担当「なんだか私までめっちゃ嬉しい!!!よかったですね!!!本当におめでとう!!」

いい人だー!!!

 

私と娘「本当にありがとうございます!あなたのおかげで確認できました。本当に嬉しいです!!!他にアカデミーパリで行う手続きありますか?」

「いえもうないですよ。後は学校に連絡してくださいね。おめでとう!」

というやりとりの後に電話を切り、速攻で画面をスクリーンショットで撮影しました。

 

電話を切って、再度、娘と涙を流しながら抱き合いました。

もうここまでの数年間の道が走馬灯のように私と娘の頭をグルングルンと駆け巡りました。

長かった・・・。

 

その後、しばらく経っても誕生日は変更される事はありませんでしたが、とにかく合格確認できてよかった。

 

 

でも、我が家はまだ当日に確認できたらから良いのですが、

郊外からの受験生は同じようにアクセスできなくて、

翌日、翌々日にならないと分からなかった人もいて、合否を知るだけで茨の道でした。

 

私の知るかぎり、郊外の人はみんなアクセスできなかったので、

INE番号、もしかするとアカデミーパリ用と他のアカデミーでは異なるのではないかという話ですが真相は定かではありません。

なので自分の管轄のINE番号を持っていても、アカデミーパリのサイトにはアクセスできない。

でも、アカデミーパリのINE番号を伝えられることはない。

 

同じく子が受験した他の友人の話では、学校に問い合わせると

「合格してますよー!!!でも、セクションジャポネじゃないですよ。」

「!!!!!!!!!!?」

そのまま不明なまま電話を切り、翌日に学校から連絡があり

「間違ってましたー!セクションジャポネです。」と伝えられたという。

 

すごいよ、受験合否のこのカオス感。

そんな話が、あちらこちらでドッカンドッカン聞こえてきました。

 

 

 

合否が分かってすぐに、お世話になった片方にお礼の連絡を娘と一緒にし、みなさん喜んでくださいました。

 

 

しかし、これで終わりではなく、これからも果てない作業は続きました。 

 

 

続く