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【フランス生活日記】行動する事でしか現状を変えることはできない。

息子を学校に迎えに行くと息子が駆け寄ってきて抱きついてきた。

これはいつもの事なのだけど、今日はいつもと様子が違う。

「僕、ママの事が大好き💕」とテンション高く何度も言う。

何だかいつもより嬉しそう。

 

息子の忘れていった軽食用の「おにぎり」を友人でもある担任の先生に届けたからだろうか?

「おにぎりのこと?美味しいよねツナマヨ♪」と息子に言うと

「それもだけど、それじゃないんだよ〜♪」と息子。

 

どうやら、この前、偶然近所で私が息子の担任の先生(友人)に声をかけられ立ち話をした時に

「息子は学校でどんな感じ?息子が友人作りに悩んでいて、毎日給食を一人で食べているらしいねん。」と相談したことで、彼女が学校で解決してくれたらしい。

 

息子の話によるとクラスで彼女は

「クラスで一人で遊んだり、給食を食べている子がいるので、みんな声をかけあって仲良くしてくださーい。誰とは言えませんが。」と言ったらしい。

 

子供の通う小学校では食堂があり、そこで食べるらしいが一人で食べている子もいる。

 

30人ほどいるクラスメイトで「自分のこと言ってる。。。」と思った子は約3人ほどいたらしい。

そうか、10人に一人は我が子のように内気で大縄跳びにうまく飛び込めない子がいるんだな。

私もどちらかと言うと「大縄跳びに入れない」、入っていても「私ずっと上手に跳べるかな?」という子やったのでその気持ちが良く分かる。

 

「そしてどうなったの?」と聞いたら、

「休憩時間にみんなが一緒に遊ぼう!と声をかけてくれて、給食もみんなで食べたの!ママのおかげだよ!」と息子。

 

「なんていい子達っ!」もはや、私のおかげではなくクラスメイトが良い子達だからに他ならない。

 

思えば、ヴェルサイユのフランスの公立校に少数派のアジア人、日本国籍なのは息子だけ。

自分に置き換えても、我が子達は本当によくやってきたと思う。

生まれも育ちもフランスだが、中身も外見もとっても日本人。

そばにいる大人の価値観や文化に大きく左右され、それは他ではない私だ。

 

3歳からフランスの公立校に通っているが、今まで、我が子は一度も先生に呼び出された事がない。

学校で悪さをした子は、迎えに行った時に別の部屋などにいて、「今日こんな事ありましてん。」と先生から親子で注意をされる。

我が子達はそれがたった一度もない。

 

それは自分にとてもありがたく助かっていて、先生に注意され、苦手なフランス語で先生や他のお子さんの親御さんに謝罪をいれるという事はなかった。

 

子供も、毎年夏休みには日本の学校にも通っていたので協調性を重んじる日本人気質もあっただろうが、外国でたった一人で子育てしているフランス語が苦手な母に迷惑をかけたら悪いという思いが保育園のころからあったのだと思う。

 

そんな息子がなかなか友達の輪という大縄跳びに飛び越めないことは、私も毎日気にかけていて、どんなに忙しくても毎日学校に迎えに行き、さりげなくかつダイレクトに

「今日はどうだった?」と聞いていた。

 

「担任の先生に言ってみようか?」と言っても、ずっと息子は「いや、言わないで。」と言っていたまま数ヶ月。

そんな時に、たまたま担任の先生に会ったので相談してみた。

 

 

「息子には先生に言わないでって言われてるので、それとなく息子に聞いてみてくれる?」お願いした。

 

それを家に帰って息子に伝えるとだまってキュッと抱きついてきて

「ママ、ありがとう。」と言った。

 

それからの今回の話なのだけど、担任の先生もさりげなくかつけっこうダイレクトだった。

「誰とは言いません。」というのが彼女の気の利かせたポイントだろう。

 

そこからあっという間にその日のうちに、今まで何を悩んでたんだろう?というくらい解決したらしい。

 

私が分析するに、息子はクラス委員に立候補し当選していたので、クラスで嫌われてはいないだろうとは思っていた。

なぜなら、うちの学校だけかもしれないがクラス委員はけっこう人気者ポジションだからだ。

5人くらいの立候補から2回の投票を経て決まる。

息子は内気だが、得意な授業中はガンガン手をあげる積極性がある。

 

しかし、大縄跳びに入れず一人でいる事が多かった息子。

息子の話を聞いていると色々と自分から仲間に入ってないんじゃ・・・という点もあった。

クラスで一人の日本人でありアジア人の息子を見て、クラスメイトは

「サムライは孤高だしな。。。。そっとしとこう。」くらいに思われていたのではないだろうか。

 

聞いたところによると、小学校中学年になると女子と男子で対立したり、仲良しの子を取られまいと派閥があったりするらしい。

息子のクラスであった事の話は毎日のように話てくれるが、素晴らしい客観性をもって、クラスメイトの個性を的確かつモノマネを交えて表現するので、ものすごく面白くお笑いライブを見ているようで、私は息子のお笑いの才能を確信し、こんなに面白いのに大縄跳びに入れないんや。。。もったいない。と思っていた。

 

とにかく、よかった。。。。抱き合って喜んだ。

さっそく担任の先生に喜びのメッセージを送った。

 

人生は色々ある。

信じていた人に裏切られる事も、大切な人がいきなりいなくなる事も、死も。

でも、今日、息子が笑顔だったならそれでいい。

明日が違ったらまた一緒にああでもないこうでもないと考えればいい。

私はいつもそばにいて「愛してる。あなたはとても価値がある。」と伝えることしかできない。

 

今回のことで息子と「やっぱり、人生って行動する事でしか現状を変える事はできないんだね。」と帰り道の鱗雲を見ながら話をした。

「鱗雲」という言葉を知ってる息子が偉いと思った。

 

Kiyomi TANAKA


パリを拠点に活動するクリエーティブディレクター&デザイナー。

日本でデザイン制作会社に勤務後、独立し日本郵政公社、帝国ホテル、JAなど大手企業や有名ホテルなどのデザインを手がける、その後、渡仏、ブランディングデザイン事務所[Fleurirdesign]設立。

ブティックやサロン、クリニックやカフェなどの立ち上げからのブランディングトータルデザインの経験も多数あります。