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フランス大手スーパー モノプリにおけるブランディング戦略

先日、街を歩いているとバス停にモノプリの広告を見かけました。

 

私がフランスに来た頃は、まだこのようなデザインではなかったのですが2010年秋頃に、モノプリのデザインは一新しました。

 

日本にいた頃、パッケージデザインをするにあたって、「そのものらしさ」が必要と教えられた自分にとって、フランスの有名なスーパー「モノプリ」のこのデザイン戦略はなかなかのものだった。

 

このデザインはアートディレクターでもあり、グラフィックデザイナーでもあり、ディレクターでもあるクレオ・シャリュエ(CLÉO CHARUET)によるもので、この色とボーダーと文字のみで表現されたデザインは、フランスのその他のスーパーと確実に一線を画すデザインです。

(肩書き多いですが、実際多くのデザイナーは、アートディレクターやディレクターとして動くことが多く、本当に自分で作ってみたり、コーディネイトしたり打ち合わせしたりと忙しいものです。)

 

ブランディングにおいて差別化というのはとても大切なキーワードです。

 

今までの、商品写真などを使用したパッケージデザインではなく、文字と色のみでの構成されたパッケージデザインは目を引き、既存のパッケージデザインの概念に一石を投じています。

 

デザインについては、文字も通常は商品名は改行せずデザインするのですが、途中で区切って時に笑いを誘うような単語の組み合わせにしたりと遊び心まであり、さすがとしか言いようがありません。

通常NGとされるハレーションを起こすような色彩をあえて取り入れたり、補色(色相環 (color circle) で正反対に位置する関係の色の組合せ)を使用している商品もあり、パッケージデザイン概念では攻めすぎなくらい攻めているところもすごいです。

 

ただ日本人の立場からすると、フランス語が読めないと商品を写真から推測するということは難しいかなとは思います。

そういう意味では、パッケージデザインの商品写真や「その商品らしさ」を出すデザインは、例えばまだ文字の読めない小さい子供や外国人にはとても親切なものですね。

 

ただ、モノプリは自社商品のみを陳列しているのではなく、各商品売り場に「らしさ」をアピールする商品がたくさん並ぶ中でのこのデザインなので、やはり目を引くという点ではデザインによる競合他社との完全なる差別化をしており圧巻です。

 

ちなみに庶民派スーパーではありますが、庶民派スーパーの中でもモノプリは少しですが割高で、センスの良い商品やインテリアなども陳列しているので、このような斬新なビジュアルイメージ展開をすることで、より一歩ハイセンスな印象を消費者に与えていると思います。

同時に庶民派の中でも「やや高い」スーパーであるからこそ、パッケージが斬新であっても「良い商品だろう」と消費者に思わせます。

各スーパーが自社ブランドを開発して商品化する中で、モノプリの自社製品に対する自信があるからこそできる攻めのデザインでもあります。

 

また、フランスのスーパーには鍵に取り付けるタイプのプラスチック製のメンバーカードがあります。

お会計の時にカードを出して、ポイントを貯めたり、会員割引の恩恵にあったりします。

いつも持ち歩けるように家の鍵につけるキーホルダータイプや、名刺大のカードがあります。

何枚かもらえるので、自分の持ち運びやすい用途にあわせて好きに選びます。

 

私は鍵につける派なので、写真のカードは少し使用感があり、すみません。

 

上から

・モノプリ

・スーパーU

・カルフール

・オーシャン

サイズは同じなのですが、やはりその中でのモノプリのデザインは目を引きますね。

ロゴの扱いがここまで小さくてもモノプリだとすぐに分かるのは、このデザイン展開がモノプリイメージの象徴となっているからですね。

記載している文字も「LA CARTE(カード) 」とシンプルすぎる。

 

やはりさすがです。

 

 

参考サイト

https://www.la-veilleuse-graphique.fr/2015/04/07/comment-cleo-charuet-a-cree-le-concept-de-packaging-monoprix/

 

http://www.cleoburo.com


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