■まずは事前の調査からはじまる。
ロゴを作成する際に、私はモチーフや制作ブランドコンセプトを決め、そこからイメージしたものをまず手書きで描きます。
その前段階で、競合他社や同じモチーフでのロゴを検索し、そのどれにもかぶっていないかを確認する事はとても重要です。
こういった前段階の作業があるのでロゴ制作は時間がかかります。
似てるに限度はありますが、今の、東京五輪ロゴの時から引き続き加熱している、似たロゴを取り上げて重箱の隅をつつくように責める風潮は、ものすごくつまらない事だと私個人は思っています。
プロから見ると、似ているという認識は、許容範囲内のものとそうでないものの境目はけっこうあります。
描くものはとても曖昧なイメージからはじまり、形にしていきます。
それを写真などで撮影し、パソコンに取り込んで作業を進めるのですが、この時に気をつけないといけない事があります。
■自分の潜在意識についても考える。
似ているデザインについて競合他社やモチーフで調べると同時に、自分の持つそのモチーフの潜在意識は何かを調べることも重要です。
人は良く目にした商品を購入する傾向があるように、自分では意識していないのに潜在意識の中に深く残った記憶というものがあります。
競合他社やそのモチーフのロゴについて調べて作業を進めているけど、あれ?これどこかで見てない?という時もあります。
そもそも、人は犬にせよ、猫にせよ、何かを描く時に、その自分の中にあるイメージを描くので、すべての事柄にそういったすでに自分が持っているイメージというものがあります。
たぶん似顔絵などや絵が上手な人は、技術もさることながら、描く対象の特徴を捉えるのが上手なのだと思います。
私もふと作業をしていて、気になり検索しました。
まさか、似てないよね。。。。?
その検索ワードは「調査兵団 ロゴ」。
そう、進撃の巨人の調査兵団の自由の翼です。
よかった・・・一つも似ていない。
自分の日常で、一番すぐに思いつく翼モチーフが「調査兵団」という事になんとも言えない気持ちになると同時に安堵しました。
このように、何かを作成する時に、様々な可能性を考えて似ているものがないか?と考えながら作業をします。
それでも世界中に星の数ほどあるロゴの全てを調べれる訳ではありませんが、この作業はとても重要です。
ロゴのデザインについては、ロゴは用途や何のロゴかにもよりますが、一般的にシンプルなものが好ましくて美しいとされています。
実際にデザインされたものが世に出る際に、小さいものに印刷もするので、複雑なロゴは印刷に耐えれないからという理由もあります。
私自身もやはりシンプルでバランスの良い考え抜かれたデザインが美しいと思います。